祖母が亡くなった。
数日前から「覚悟しておいて」との連絡は受けていたので、(続いている寂しさは別にして)喪主の家族として葬儀を迎えるにあたり、ある程度は冷静に動けたと思う。
高血圧で倒れてから、20年の入院生活。
亡くなった病院では、15年もお世話になった。
職員の方々には感謝しかない。
闘病…というか、病気ではないな、当初は脳の血管の影響による痴呆から始まり、近年は意識はあるけど認識はなく、ただ起きて寝てるような感じなのがずーっと続いていた。
大往生と言えるのかな?89歳だった。
点滴もしていないし、胃ろうの栄養だけで長生きだなあと感心していた。
葬儀費用について
家族を含め、10人程度で82万円
20年も病院に入っていたので、現在の親しい知人や友人はいない。
少人数での家族葬(親族葬?)で、送ることに決めていた。
ご近所さんには亡くなった旨と、家族葬であることをお伝えし、実際の出席者は少人数に絞った。
僕たち家族(息子の発熱が治まっていなかったので、妻と息子2人は家にいてもらった)と近い親戚で、10人程度。
通夜:家族4人+祖母の兄弟関係4人+親族3人(+ご近所さん4人)
葬式:家族4人+祖母の兄弟関係4人+親族2人(+ご近所さん4人)
延べ21人。
それで、総費用はだいたい100万円くらいになりそうな感じ。
明日の土曜日に、実家に戻って、届いたらしい請求書をチェックする。
※後日追記。
確定請求額は82万円。
見積もりには参列者が30人予定(結果は10数人)にしていたり、通夜の夜の宿泊が5人分(実際は1人)であったりと、余裕をもって積んでいた分、精算したら下がったようだ。
葬儀費用が「高い」の価値観
病院から葬儀場へ移動した当日、打ち合わせの席で見積もりを提示されたときの感想は、正直なところ「高っ!」だった。
で。
全部が終わった今。
高いかと聞かれれば、もちろん高い。
ただ、内容に比べて高いか、と聞かれれば、いいえ。となる。
祭壇も、お花も、付随するサービスも、スタッフの方々の対応も、すごく高いクオリティで進めてくれた。
少人数で全員親族。
本当に祖母のことを共通の話題とし、生前を偲んで過ごすことができたと思うし、満足している。
その金額がもったいないかと聞かれれば、分からない。
遺影について
困ったこと。
倒れてから20年近くもずっと入院していたので、遺影に使う写真が無い。
晩年は(といっても15年以上だけれど)ずっとベッドに寝ていて、髪も短く切っていた。
やはり遺影にするには、ふさふさの髪で笑顔の写真がいい。
夜中に家中を探し回った。
昔の写真を5枚くらいを候補として選び、葬儀社に提出。
亡くなった病院に移る前の施設での写真(17年くらい前かな)で良い笑顔があったようで、それを遺影に採用してもらった。
最近の遺影ってすごい。
施設に入っているときの写真なので、祖母が着ているのは、シンプルなピンク一色の入院着…のはずだった。
ところが、遺影で笑っている祖母が着ているのは、落ち着いた柄物の洋服。
なんと、編集で服の柄を変えてくれている!
さらに、(祭壇にある遺影ではなく、)家に帰ってくるほうの遺影の「額(がく)」。
ついつい遺影は、こんな
黒縁の額をイメージしていたが、最近では洋画でも飾れるような、明るいパールのグレー、ブルー、クリーム(しかもリボン付き)も、選べるようだ。
画像は広島・竹原葬祭のサイトより借用
新しい洋服を着て(?)笑っている祖母は、この20年間、ベッドの上から見ていた祖母の顔ではなく、小さいころの僕が、見上げていた祖母だった。
祖母の表情から感情が消えて長く、記憶からも離れていたのに、見た途端、「あ、おばあちゃんだ」って思った。
僕たちが選んだのはクリーム色。
参列者は祖母が見知った親族だし、華やかにいこう。
(僕は面識はなかったけど、90歳近くになっても、兄弟は同じような顔してるんだなあ、と思うくらいにそっくりだった)。
病院のベッドで寝ているときと同じ顔で、そこに寝ている祖母。
そして、17年前の笑顔で笑っている写真。
しんみりするよりは、一緒にワイワイと過ごすような、明るい写真になって良かった。
他人から見た葬儀について
ところで、霊柩車は神社みたいな屋根の車(宮型というらしい)ではなく、普通の外観だった(洋型というらしい)。
縁起が悪いとか、見たくないとか思う人も多いのだろうけれど、死者になったから縁起が悪い、というのはかわいそうではないかな。
あの祖母だったら、霊柩車に手を振ってくれたら、笑いながら振りかえすくらいだと思うのだが。
またね。
そんなことから、忌み嫌うのではなく、いつか来る未来として、準備するのも良いと思った。
例えば、遺影の写真も生前に撮影するのはありだなあ、と。
もちろん、大きな喪失感は止められないけれど、僕たち遺族は、そんな感じで、ちゃんと見送れたと思う。
おばーちゃん、向こうでおじーちゃんと会えてるかなあ。
後日談。
お金だけが大事じゃないけど、その時が来ても焦らないために、知っておくのは大事。
家族それぞれ希望を出して、金額だけ聞いてみた。
各々が、納得できる形を持つことができたと思う。
さて、心配されないように、残されたことも丁寧にもやらなきゃね。
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